特集 胆道閉鎖症の研究update
肝表面の「マキビシ」の診断的意義
城田 千代栄
1
,
檜 顕成
1
,
田井中 貴久
1
,
住田 亙
1
,
牧田 智
1
,
安井 昭洋
1
,
加藤 大幾
1
,
前田 拓也
1
,
合田 陽輔
1
,
石井 宏樹
1
,
太田 和樹
1
,
内田 広夫
1
Chiyoe Shirota
1
,
Akinari Hinoki
1
,
Takahisa Tainaka
1
,
Wataru Sumida
1
,
Satoshi Makita
1
,
Akihiro Yasui
1
,
Daiki Kato
1
,
Takuya Maeda
1
,
Yousuke Gohda
1
,
Hiroki Ishii
1
,
Kazuki Ota
1
,
Hiroo Uchida
1
1名古屋大学大学院医学系研究科小児外科学
pp.168-169
発行日 2024年2月25日
Published Date 2024/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000725
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はじめに
名古屋大学では昔から胆道閉鎖症(biliary atresia:BA)患者の肝臓表面に認められる毛細血管の拡張のことを忍者の撒菱になぞらえて「マキビシ」と呼び,BAの診断の一助として長く継承されてきた1)(図1)。この所見は2017年にZhouらがhepatic subcapsular spider-like telangiectasis(HSST)signと命名し,BAの診断に感度100%・特異度98%の有用な診断ツールであると報告して世界で注目を浴びた。現時点で2本の大規模な検証論文が報告されている2~4)。Zhouらはsub capsular(肝皮膜下)と表現しているが,本稿では肝皮膜に認められるサインとして「マキビシ:Makibishi sign」と呼称する。Makibishi signの診断的意義について自験例で検討する。
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