特集 小児外科疾患に関連する症候群
Simpson-Golabi-Behmel症候群
米田 光宏
1,2,3
,
小関 元太
1
,
齋藤 傑
1
,
橋詰 直樹
1
,
藤雄木 亨真
1
,
狩野 元宏
1
,
山本 祐輝
1
,
石丸 哲也
1
,
藤野 明浩
1
,
金森 豊
1
Akihiro Yoneda
1,2,3
,
Genta Ozeki
1
,
Takeshi Saito
1
,
Naoki Hashizume
1
,
Michimasa Fujiogi
1
,
Motohiro Kano
1
,
Yuki Yamamoto
1
,
Tetsuya Ishimaru
1
,
Akihiro Fujino
1
,
Yutaka Kanamori
1
1国立成育医療研究センター小児外科系専門診療部外科
2国立成育医療研究センター小児がんセンター腫瘍外科
3国立がん研究センター中央病院小児腫瘍外科
pp.444-447
発行日 2023年4月25日
Published Date 2023/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000423
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Ⅰ.定 義
Simpson-Golabi-Behmel症候群(SGBS)は羊水過多や巨大胎盤を合併し,胎児期からの過成長と低い鼻梁,巨舌といった特異顔貌に加え,多指,爪の低形成,口蓋裂,心奇形,副乳,鼠径ヘルニアなどを伴い,腎芽腫,肝芽腫などの胎児性腫瘍の発生リスクが高いことが知られている。米国国立医学図書館に掲載されているGeneReviews®1)によると一般的に軽度~重度の知的障害を呈し,脳の構造的異常を伴う場合と伴わない場合があるとされているが,小児慢性特定疾病情報センターでは知能は一般に正常と記載されており2),症例によって異なるようである。SGBSはovergrowth syndrome(OGS)に分類される疾患である。OGSは形成異常を伴い身長および頭囲が2SDを超える疾患群と定義される。Beckwith-Wiedemann症候群が最もよく知られたOGSであり,SGBSはSotos症候群,Perlman症候群,Weaver症候群とともに特徴的な遺伝性OGSとされる3)。
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