特集 小児外科疾患に関連する症候群
VACTERL連合
小野 滋
1
Shigeru Ono
1
1自治医科大学とちぎ子ども医療センター小児外科
pp.448-452
発行日 2023年4月25日
Published Date 2023/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000424
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はじめに
VACTERL連合(本症)は,先天性食道閉鎖症に合併することが特に多い形態異常部位である椎体,直腸肛門,心臓,腎臓・橈骨,四肢の頭文字をとって名づけられた奇形群である。鑑別すべき疾患群としてVATER症候群があり,同様にV:椎体異常,A:肛門奇形,TE:気管食道瘻,R:橈骨奇形および腎奇形という五徴候の頭文字の組み合わせで命名されたものである。わが国ではVACTERL連合はVATER症候群にC:心奇形とL:四肢異常を追加した概念として紹介されていることが多く,小児外科医にとっては先天性食道閉鎖症に合併する疾患,奇形群として認知されている1)。
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