特集 小児外科疾患に関連する症候群
Costello症候群
吉澤 信輔
1
Shinsuke Yoshizawa
1
1埼玉県立小児医療センター泌尿器科
pp.378-380
発行日 2023年4月25日
Published Date 2023/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000408
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Ⅰ.定 義
Costello症候群は,1971年にCostelloによって報告された,特徴的顔貌,神経精神発達遅滞,肥大型心筋症,先天性心疾患,筋骨格異常などを呈する先天異常症であり,30万出生に1人程度とされる1)。RAS/MAPK症候群またはRASopathiesと総称される症候群の一つであり2),細胞内シグナル伝達経路の一つであるRAS/MAPK経路に存在する遺伝子において,生殖細胞系列の変異調節異常によって多様な症状を呈する常染色体優性遺伝性疾患である。RAS/MAPK症候群(RASopathies)には,他にNoonan症候群,cardio-facio-cutaneous(CFC)症候群や神経線維腫症Ⅰ型など多種の疾患があり,これらは臨床的に非常によく類似しているため長い間その鑑別が困難であった。しかし,近年それぞれの原因遺伝子が同定されてきたため,遺伝学的検査を行うことによりそれぞれ疾患を区別することが可能となった(2020年に保険収載された)。
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