特集 知っておくべき周産期・新生児領域の遺伝学的検査を展望する
各論
Noonan症候群とその類縁疾患(Costello症候群,CFC症候群)
青木 洋子
1
AOKI Yoko
1
1東北大学大学院医学系研究科遺伝医療学分野
pp.751-754
発行日 2022年5月10日
Published Date 2022/5/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000175
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はじめに
Noonan症候群,Costello症候群,cardio-facio-cutaneous(CFC)症候群は,細胞内RAS/MAPKシグナル伝達経路に存在する遺伝子の生殖細胞系列での変異により,成長・発達障害,先天性心疾患,肥大型心筋症,さまざまな程度の精神遅滞,特徴的な顔貌,皮膚症状などを示す常染色体顕性遺伝(優性遺伝)/潜性遺伝(劣性遺伝)性疾患である。これらの疾患群は包括してRASopathiesとよばれる1)。最近はsomatic変異やmosaic変異により起こる疾患群も次々と同定されてきており,より広い臨床スペクトラムを呈するようになった。
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