特集 小児外科疾患に関連する症候群
Currarino症候群
金森 大輔
1
,
宮國 憲昭
2
,
杉原 哲郎
2
,
梶 沙友里
2
,
大橋 伸介
2
,
黒部 仁
2
,
芦塚 修一
2
Daisuke Kanamori
1
,
Kazuaki Miyaguni
2
,
Tetsuro Sugihara
2
,
Sayuri Kaji
2
,
Shinsuke Ohashi
2
,
Masashi Kurobe
2
,
Shuichi Ashizuka
2
1東京慈恵会医科大学葛飾医療センター外科
2東京慈恵会医科大学外科学講座小児外科
pp.381-384
発行日 2023年4月25日
Published Date 2023/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000409
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
Currarino症候群は,直腸肛門奇形,仙骨欠損,仙骨前腫瘤の先天性疾患を三徴とし,1981年にCurrarinoらがそれまで報告されていた症例を検討し,症候群として提唱した1)。発生学的に内胚葉と外胚葉の分離異常が示唆されている非常にまれな疾患であり1),2021年の報告ではこれまでに約300例を認めるのみ2)とされた他,希少疾患を扱うOrphanetでは10万人あたり1~9人の有病率と示され3),患者数の推定にはいまだ幅がある。男女比には差がないとする報告と,女性に多いとする報告が散見されており結論を得ていない4)。およそ80%は15歳以下で診断されるが,成人例も少なくない4)。常染色体優性遺伝の形式をとり,常染色体7q36.3にコードされたMNX1遺伝子の変異が家族例の多くや,孤発例の1/3にみられていることから4),原因の一つと考えられている。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.