特集 小児外科疾患に関連する症候群
CHARGE症候群(CHD7疾患)
高安 肇
1
Hajime Takayasu
1
1北里大学医学部一般・小児・肝胆膵外科
pp.372-377
発行日 2023年4月25日
Published Date 2023/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000407
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はじめに
CHARGE症候群(本症候群)は,まず1979年にHallによって後鼻孔閉鎖と複数の先天性疾患(奇形)を伴う17例が報告された1)。その後,1981年にPagonらがそれらの頭文字をとってCHARGE(coloboma of the eye,heart disease,atresia of the choanae,retarded growth and/or development,genital hypoplasia,ear malformation and/or hearing loss)症候群として報告した2)。わが国での発症頻度は出生20,000人に1人程度とされている3)。現在,診断基準としてはBlakeら4),Verlores5)の基準が広く知られ,わが国では2015年に厚生労働省研究班による診断基準が提示されている3)(表1)。病態としてCHD7遺伝子変異が多くの症例で認められるようになり,厚生労働省研究班の診断基準では,CHD7遺伝子変異を確定診断の要件としている3)。概略としては,外耳内耳,および咽頭喉頭の形態異常,眼球構造物の各種欠損(コロボーマ),脳神経障害(第Ⅶ,Ⅷ,Ⅸ,Ⅹ脳神経が多い)に加えて,心奇形や気管食道奇形を主とする症候群と理解してよいだろう。また,胸腺の無形成あるいは低形成を伴うT細胞の欠損など免疫異常を合併することがある6~8)。
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