特集 診断困難な小児外科症例:早期診断へのポイントとヒント
膿瘍形成性虫垂炎の診断
山根 裕介
1
,
篠原 彰太
1
,
大野田 貴
1
,
永安 武
1
Yusuke Yamane
1
,
Shota Shinohara
1
,
Takashi Onoda
1
,
Takeshi Nagayasu
1
1長崎大学病院小児外科
pp.1088-1089
発行日 2022年11月25日
Published Date 2022/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000280
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はじめに
小児の急性虫垂炎は,急性腹症のなかで一般的な疾患であるが,腹痛という症状が便秘や腸炎などでもみられ特異的でないこと,そもそも患児の愁訴が曖昧であることから診断に苦慮する場合がある。さらに炎症が急激に進行し容易に穿孔することも特徴である。膿瘍形成性虫垂炎(以下,本症)は限局した膿瘍腔が原因で下痢症状を伴うことが多く,腸炎として外来治療を行われている症例が少なくない。
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