特集 診断困難な小児外科症例:早期診断へのポイントとヒント
臍周囲の腹腔内膿瘍
四本 克己
1
Katsumi Yotsumoto
1
1君津中央病院小児外科
pp.1090-1093
発行日 2022年11月25日
Published Date 2022/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000281
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はじめに
腹腔内膿瘍を形成する疾患は小児でも多種多様であるが,頻度から虫垂炎穿孔性のものが筆頭として鑑別にあがる。膿瘍が臍周囲で形成された場合,受診時に相当の腹膜炎進行やイレウスを生じた状態で診断する際には,臍周囲の構造物すなわち尿膜管遺残組織,臍腸管遺残,臍動脈管索,肝円索や腹腔内構造でもMeckel憩室や腸間膜囊胞,重複腸管など炎症により膿瘍形成の原因となりうるものは鑑別の対象となり,腹壁膿瘍か腹腔内膿瘍かさえも区別できないことがあるため考慮すべき疾患は幅広い。
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