特集 短腸症候群の診療における問題点
第118回東京小児外科研究会より
中心静脈アクセスの消失した短腸症候群に対して行った脳死小腸移植術
梅山 知成
1
,
山田 洋平
1
,
城崎 浩司
1
,
山岸 徳子
1
,
工藤 裕実
1
,
金森 洋樹
1
,
高橋 信博
1
,
加藤 源俊
1
,
黒田 達夫
1
Tomoshige Umeyama
1
,
Yohei Yamada
1
,
Koji Shirosaki
1
,
Satoko Yamagishi
1
,
Yumi Kudo
1
,
Hiroki Kanamori
1
,
Nobuhiro Takahashi
1
,
Mototoshi Kato
1
,
Tatsuo Kuroda
1
1慶應義塾大学医学部外科学教室(小児)
pp.280-284
発行日 2022年3月25日
Published Date 2022/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000075
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はじめに
短腸症候群は,壊死性腸炎,腹壁破裂,小腸閉鎖,中腸軸捻転などを原疾患として大量腸管切除が施行された結果として生じる病態である1)。水分補給や栄養状態を維持するために静脈栄養に長期間依存せざるをえない例が多く,カテーテル関連血流感染や血栓症などのトラブルが生じるなかで,中心静脈へのアクセスルートが欠乏していく。小腸移植は,静脈栄養を継続することに比較して挑戦的な位置づけにあるため,他の選択肢を十分に検討したうえではあるが,治療選択肢の一つとなる2)。2018年4月に小腸移植は保険収載され,腸管不全患者にとって小腸移植の選択は以前よりも現実的なものとなった。
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