特集 ここまで来た! 新生児マススクリーニングと対象疾患の治療
以前からの対象疾患―再検査,精密検査,そして治療
脂肪酸代謝異常症・カルニチン回路異常症
杉山 洋平
1
,
村山 圭
1
SUGIYAMA Yohei
1
,
MURAYAMA Kei
1
1順天堂大学難病の診断と治療研究センター/小児科
pp.1782-1788
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002162
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はじめに
脂肪酸代謝異常症(fatty acid oxidation disorders:FAODs)は,ミトコンドリア内での脂肪酸代謝が障害されることでエネルギー産生不全をきたす疾患群であり,カルニチン回路の異常,β酸化経路の異常,電子伝達系の異常に大別される1)。新生児マススクリーニング(newborn broad screening:NBS)対象疾患とFAODsの主な疾患の特徴などを表11)に挙げる。FAODsにはNBS対象疾患以外にも,Leigh脳症の重要な原因とされているenoyl-CoA hydratase short chain-1(ECHS1)異常症なども含められるが2),本稿ではNBS対象疾患(表2)を主に概説する。
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