増刊号 輸血検査実践マニュアル
総論
輸血の構成成分とその機能
血漿成分
凝固・線溶系因子
西田 幸世
1
,
藤村 吉博
1
1奈良県立医科大学附属病院輸血部
pp.39-43
発行日 1997年6月15日
Published Date 1997/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903095
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はじめに
血管内においては流動性を保っている血液も,いったん血管損傷を受けると,その部位で血液凝固機転が働き,血液の血管外への流出の防御反応が起こる.さらに血液凝固が完了すると,形成された血栓を処理しようとする生理的反応,いわゆる線維素溶解(線溶)機構が生ずる.しかしながら,この反応も制御なく進行すると,かえって出血傾向を助長する結果となりうる.
本稿では,これら生体の凝固・線溶系の平衡を担う種々の因子の種類と機能について概説する.
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