Japanese
English
増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅶ.血液・腫瘍性疾患
8.先天性血小板減少症,血小板機能異常症
Congenital thrombocytopenia and platelet function disorder
石黒 精
1
ISHIGURO Akira
1
1国立成育医療研究センター・教育研修センター・小児がんセンター
pp.862-866
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000666
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
1 基本病因,発症機序
先天性血小板減少症・機能異常症は,血小板の産生・機能の異常に起因する多様な疾患の総称である。造血前駆細胞から造血因子や転写因子の働きを受けて分化・成熟するにつれて巨核球は,骨組織辺縁から骨髄類洞周囲に移動し,糸状の細長い胞体突起を多数伸展させて類洞血管内に血小板を放出する1)。出血部位では,血小板は露出した血管内皮下組織に速やかに粘着,活性化して凝集塊を形成する(一次止血)2)。活性化に伴い血小板顆粒からは接着因子,凝固因子,アデノシン二リン酸(ADP)/アデノシン三リン酸(ATP),カルシウムイオンなどが放出されて周囲の血小板を活性化し,凝集を促進するとともに血液凝固因子を活性化し,フィブリン網による強固な二次血栓を形成する。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.