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特集 出血傾向あるいは血栓傾向をきたす血小板減少症と血小板機能異常症
【出血傾向をきたす血小板減少症・機能異常症】
先天性血小板減少症
-――病態,診断,検査,治療
Inherited thrombocytopenia
――Pathology, diagnosis, examination, treatment
國島 伸治
1
Shinji KUNISHIMA
1
1岐阜医療科学大学保健科学部臨床検査学科
キーワード:
遺伝子パネル解析
,
フローサイトメトリー
,
免疫蛍光染色
,
免疫性血小板減少症(ITP)
Keyword:
遺伝子パネル解析
,
フローサイトメトリー
,
免疫蛍光染色
,
免疫性血小板減少症(ITP)
pp.636-639
発行日 2024年2月24日
Published Date 2024/2/24
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28808636
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先天性血小板減少症は極めてまれと考えられていたが,従来考えられていたほどまれではなく,日常診療において十分遭遇する頻度で存在する.現在では50以上の先天性血小板減少症が知られている.本疾患群の遺伝的背景は多様であり,確定診断に至る症例は半数に満たず,免疫性血小板減少症(ITP)と診断され,不必要な治療を受けることも少なくない.先天性血小板減少症の臨床は多様である.メイ・ヘグリン異常に代表されるMYH9異常症はアルポート症状を合併し,トロンボポエチン信号伝達異常や転写因子異常は,それぞれ骨髄不全症や血液悪性腫瘍へ移行する.すべての病態において血小板減少症は先天的にみられるが,合併症は進行性であり,発症頻度と重症度は遺伝子型と関連するため,早期の遺伝子診断が望まれる.
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