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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅲ.神経疾患
30.Rett症候群
Rett syndrome
伊藤 雅之
1,2
ITOH Masayuki
1,2
1国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第二部
2東京都立多摩北部医療センター小児科
pp.385-390
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000580
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1 基本病因,発症機序
Rett症候群は,1966年にオーストリアの小児神経科医Rettによって初めて報告された疾患1)で,おもに女児に発症し,乳幼児期から始まる姿勢や協調運動の障害,対人関係の障害,常同運動,てんかんなど多彩な症状を年齢依存性に呈し,それまでできていたことができなくなる退行を特徴とする疾患である。Rett症候群の原因遺伝子として,methyl CpG binding protein 2(MECP2)遺伝子が1999年に報告された2)。現在世界的に用いられている診断基準3)で典型的Rett症候群と臨床診断された患者の約95%はMECP2遺伝子異常である。約5%には,30を超える多くの原因遺伝子が報告されている4)。
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