Japanese
English
特集 病因・病態生理から読み解く腎・泌尿器疾患のすべて
Ⅳ.全身性疾患に伴う腎障害
30.腫瘍崩壊症候群
Tumor lysis syndrome
岡 雅俊
1
Oka Masatoshi
1
1東京都健康長寿医療センター腎臓内科・透析科
キーワード:
TLS
,
高尿酸血症
,
ラスブリガーゼ
,
高カリウム血症
,
高リン血症
Keyword:
TLS
,
高尿酸血症
,
ラスブリガーゼ
,
高カリウム血症
,
高リン血症
pp.331-335
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001051
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1 病因・病態
腫瘍崩壊症候群(tumor lysis syndrome:TLS)とは,腫瘍細胞の急速な崩壊により,細胞内の代謝産物である核酸,蛋白,リン,カリウムなどが血中へ大量に放出されることによって引き起こされる代謝異常の総称である1)。TLSは,腫瘍量が多く治療に対する感受性が高い場合に,腫瘍細胞が急速に崩壊して出現しやすくなる。また,腫瘍量が多いうえに細胞回転が著しく亢進している場合は,治療前からTLSがみられることも報告されている2)。腫瘍細胞が崩壊するとき,細胞内に存在する核酸,カリウム,リン,サイトカインが大量に血中へ放出され,尿中排泄能を超えた場合急激に血中に蓄積され,高尿酸血症,高カリウム血症,高リン血症,低カルシウム血症となって,TLSの種々の症状が生じる3)(図4))。
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