Japanese
English
増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅲ.神経疾患
31.脳性麻痺
Cerebral palsy
荒井 洋
1
ARAI Hiroshi
1
1ボバース記念病院
pp.391-396
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000581
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
1 基本病因
1.脳性麻痺の定義
1968年の厚生労働省の定義では,脳性麻痺とは「受胎から新生児期(生後4週間以内)までの間に生じた脳の非進行性病変に基づく,永続的なしかし変化しうる運動および姿勢の異常である。その症状は満2歳までに発現する。進行性疾患や一過性運動障害,または将来正常化するであろうと思われる運動発達遅延は除外する」とある。一方,2004年の国際的なコンセンサスに基づく定義には「発達期の胎児または乳児の脳に生じた非進行性の病変による運動と姿勢の発達の永続的で活動を妨げるような障害の一群を指す」(傍線部分が前述の定義と異なる)とあり,続いて「脳性麻痺の運動障害はしばしば感覚,知覚,認知,コミュニケーション,行動の障害およびてんかん,二次的な筋骨格の問題を伴う」と記載されている1)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.