特集 おさえておきたい! 胎児・新生児の超音波検査
胎児の超音波検査:臓器別
四肢・骨格・脊椎
神谷 亮雄
1
,
山田 崇弘
2
KAMIYA Akio
1
,
YAMADA Takahiro
2
1神谷産婦人科医院
2北海道大学病院臨床遺伝子診療部
pp.1207-1211
発行日 2025年10月10日
Published Date 2025/10/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002319
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はじめに
胎児骨格の超音波評価において,産科医が最も頻繁に観察する部位は大腿骨である。しかし,それ以外の詳細な部位について,どの程度まで評価を行っているかは,施設や術者によって大きく異なるのが実情であろう。四肢の異常は孤発性のものもあるが,骨系統疾患や染色体疾患,その他の単一遺伝子疾患などと関連することが少なくない。3D超音波などの技術を駆使すれば,長管骨のみならずさまざまな骨格構造から多くの情報を得ることが可能である。骨系統疾患のなかには胎児期や新生児期に死に至るようなものもあるため,周産期管理や両親へのカウンセリング,早期の治療開始のためにも正確な胎児診断は重要である。また,国内においても胎児脊髄髄膜瘤に対する胎内治療が開始され,脊椎病変の早期診断の重要性はますます高まっている。

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