特集 発生から紐解く 胎児超音波診断アトラス [Web動画付]
第4章 心臓以外の超音波検査
10.四肢骨格の異常
-b.軟骨無形成症
上妻 友隆
1
,
吉里 俊幸
1
,
牛嶋 公生
1
Y. Kozuma
1
,
T. Yoshizato
1
,
K. Ushijima
1
1久留米大学医学部産婦人科学講座
pp.1513-1516
発行日 2020年11月30日
Published Date 2020/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001542
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軟骨無形成症(achondroplasia;ACH)は予後良好な骨系統疾患のなかで最も頻度が高い疾患で,約2万出生に1人の頻度で発生する1)〜3)。タナトフォリック骨異形成症と同様に,染色体4p16.3に存在するFGFR3遺伝子の異常によって発生するが,本疾患はFGFR3遺伝子構造の膜貫通領域に存在する点変異によって生じ,表現型が異なっている1)〜3)。遺伝形式は常染色体顕性(優性)遺伝形式(autosomal dominant;AD)となるが,8〜9割は正常の両親から生じるde novo変異である1)〜3)。軟骨無形成症では近位肢節短縮型(rhizomelia)の四肢短縮型低身長を呈するが,これは新生児期にはあまり目立たないことが多く,その後の成長・発育とともに低身長および四肢短縮が顕著となる1)〜3)。知能の発達は基本的に正常であるが,頭蓋底の低形成による大後頭孔の狭窄によって水頭症や脊髄障害などを引き起こす場合があるため,適切なフォローアップが必要である4)。
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