特集 発生から紐解く 胎児超音波診断アトラス [Web動画付]
第4章 心臓以外の超音波検査
10.四肢骨格の異常
-d.低ホスファターゼ症
室月 淳
1,2
J. Murotsuki
1,2
1宮城県立こども病院産科
2東北大学大学院医学系研究科先進成育医学講座胎児医学分野
pp.1522-1527
発行日 2020年11月30日
Published Date 2020/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001544
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
低ホスファターゼ症(hypophosphatasia;HPP)は組織非特異的アルカリホスファターゼ(tissue-nonspecific ALP;TNSALP)をコードするALPL遺伝子の機能不全により,ALPの欠如または低下をきたす疾患である。そのため全身の骨や腎,肝臓などの様々な臓器に障害をきたす。わが国での発生頻度は正確にはわからないが,2009年のわれわれの推計1)ではHPPのなかの周産期型の頻度が欧米に比べるとかなり高い。また近年,酵素補充療法製剤であるアスホターゼアルファが新たに開発され,生後早期からの投与によってHPPの予後が劇的に改善するようになった2)。そのため胎児期にHPPを診断できることは重要である。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.