増刊号 周産期診療のための病態生理
[産科編]
胎盤の病態生理
前置胎盤の病態・成因はどこまでわかっているか
神谷 亮雄
1
,
山田 崇弘
2
KAMIYA Akio
1
,
YAMADA Takahiro
2
1関西医科大学産科学婦人科学講座
2北海道大学病院臨床遺伝子診療部
キーワード:
前置胎盤
,
癒着胎盤
,
既往帝王切開
,
ART
,
脱落膜
Keyword:
前置胎盤
,
癒着胎盤
,
既往帝王切開
,
ART
,
脱落膜
pp.244-247
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001287
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
前置胎盤の病態
1 リスク因子
前置胎盤とは,組織学的内子宮口の全体または一部がおおわれた状態を指し,全妊娠の0.3~2%に合併する。リスク因子として,高年妊娠,経産,喫煙,子宮内操作の既往,生殖補助医療(assisted reproductive technology:ART),帝王切開歴,前置胎盤の既往などがある1,2)。これらの要因の多くは増加傾向であり,前置胎盤の発生率は過去30年間上昇している。既往帝王切開の回数が増えるにつれ,その後の妊娠における前置胎盤のリスクは上昇する。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.