特集 周産期救急システム―初期対応と災害対策
新生児救急発症時の対応 呼吸障害
星名 潤
1
HOSHINA Jun
1
1長岡赤十字病院新生児科
pp.725-728
発行日 2025年6月10日
Published Date 2025/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002184
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はじめに
胎児の肺は肺水で満たされている。出生後の第一啼泣により肺水が空気に置き換わり,ガス交換が開始する。新生児期は胎内から胎外の環境へ適応する時期であり,適応障害に起因する呼吸障害を発症しやすい。よって,出生前診断で明らかになっている疾患ばかりではなく,出生後の適応障害により呼吸障害を起こすことが多い。さらにその症状が多呼吸,喘鳴,チアノーゼなど非特異的であるうえに,原因が気道と肺のみならず,心臓腹部臓器,神経,筋,血液など多様であるため,慎重な判断が要求される1)。したがって,呼吸障害の症状について精通し,速やかに呼吸管理を行うと同時に,診断・治療を行う必要がある。

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