Japanese
English
原著
新生児に発症した癜風
TINEA VERSICOLOR IN NEWBORN
滝内 石夫
1
,
中島 国夫
1
Iwao TAKIUCHI
1
,
Kunio NAKAJIMA
1
1日本大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine
pp.373-375
発行日 1974年5月1日
Published Date 1974/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201300
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症例は3ケ月,男児.神奈川県足柄市在住.正常分娩で発育および栄養状態も良好であり,また家族内に癜風はない.
現病歴は生後4週の乳児検診時に保健所にて前額部の皮疹を指摘され,時折,副腎皮質ホルモン軟膏を塗布していた.その後わずかずつ周囲に拡大してきた.
現症は眉間部を中心として左右対称性に眉毛部,眉毛上部に大豆大までの健常皮膚色よりわずかに白色を呈する境界明確な色素減弱斑が極くわずかに粃糠様鱗屑を付し融合多発する.局面は掻破により著明に落屑する.鱗屑の培養は陰性であり,苛性カリ標本にて癜風菌を証明した.
皮疹の形態は乳児と成人の間に差はないようである.しかし乳児の癜風の特徴は顔面,殊に眉間部より眉毛部に好発し,家族内および同居入に同症が見られず,苛性カリ標本所見では菌要素が極めて少ない事等が考えられる.
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