特集 母体救急医療・母体救命の進歩
総論
母体救急発症時の対応 医師
尾崎 康彦
1
OZAKI Yasuhiko
1
1名古屋市立大学医学部附属西部医療センター産婦人科
pp.147-150
発行日 2022年2月10日
Published Date 2022/2/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000033
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はじめに
周産期医療は救急医療である。母体救急医療,母体救命の現場で周産期プロバイダー(産科医,新生児科医,救急医,産科麻酔科医,看護師,助産師,救急救命士など)のスキルが最大限に発揮されるためには,緊急性の判断と母体優先の大原則の理解が重要である。通常診療での非緊急時においてはバイタルサインのチェック,病歴聴取,妊娠週数や既往歴などを確認し,必要に応じて担当診療科にコンサルトする時間的な余裕がある。しかし,緊急時には妊娠のステージや,胎児を含めた母体の生理学的・病理学的な特徴に応じた対処を瞬時に求められることになる。個々としてのみならず,チームとしてパフォーマンスを最大限に発揮することが必要である。
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