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特集 腎疾患治療薬 フロントライン
各論
第1章 腎疾患患者への薬の使い方
17.骨髄腫関連腎障害:ボルテゾミブ
Myeloma related renal dysfunction Bortezomib
得平 道英
1
Tokuhira Michihide
1
1JCHO埼玉メディカルセンター血液内科
キーワード:
多発性骨髄腫
,
腎障害
,
ボルテゾミブ
Keyword:
多発性骨髄腫
,
腎障害
,
ボルテゾミブ
pp.110-116
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000002115
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1 はじめに
多発性骨髄腫(multiple myeloma:MM)は,形質細胞の遺伝子異常が出現,徐々に遺伝子異常が進行,蓄積し,意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症(monoclonal gammopathy of undetermined significance:MGUS)の時期を経て,10~20年以上かけて単クローン性に増殖,貧血,腎不全,骨融解および骨折,高カルシウム血症などの臓器障害へと発展し(CRAB症状),症候性MMと呼ばれるようになる(図1)1~3)。MMは高齢者に好発し,全悪性腫瘍の約1%,全造血器腫瘍の約10%を占め,発症率,死亡率ともに年々増加傾向にある。病型は重鎖型-軽鎖型で表現し,例えばIgG-κなどの記載となる。症候性MMの病期分類は,血清β2ミクログロブリン値とアルブミン値を用いる国際病期分類(Internatinal Stage System:ISS)を用いることが一般的で,予後を反映する。また遺伝子異常を組み込んだRivesed-ISSも提唱されている3)。

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