Japanese
English
症例報告
ボルテゾミブによる紫斑を伴った有痛性紅斑の1例
A case of painful erythema with purpura induced by bortezomib
松木 美和
1
,
相原 道子
1
,
高橋 一夫
1
,
松本 憲二
2
,
池澤 善郎
1
Miwa MATSUKI
1
,
Michiko AIHARA
1
,
Kazuo TAKAHASHI
1
,
Kenji MATSUMOTO
2
,
Zenro IKEZAWA
1
1横浜市立大学附属病院皮膚科
2横浜市立大学附属病院リウマチ血液感染症内科
1Department of Dermatology,Yokohama City University School of Medicine,Yokohama,Japan
2Department of Internal Medicine,Yokohama City University School of Medicine,Yokohama,Japan
キーワード:
ボルテゾミブ
,
薬疹
,
血管障害
Keyword:
ボルテゾミブ
,
薬疹
,
血管障害
pp.1031-1034
発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103116
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要約 51歳,女性.難治性の多発性骨髄腫に対してボルテゾミブの投与を開始した.投与開始12週後より両下腿に紫斑を伴い,皮下に硬結を触れる有痛性紅斑が出現した.皮膚生検病理組織像では,表皮基底膜部に空胞変性があり,真皮内小血管周囲に炎症細胞浸潤がみられた.浸潤している細胞はリンパ球を中心として好中球を混じており,核塵,赤血球の漏出がみられ,血管障害が示唆された.休薬後3週間で皮疹は消退したが,その後も投与ごとに同様の皮疹が再燃した.再燃はあるものの症状は自制内であり,自然軽快を繰り返したため継続投与が可能であった.分子標的治療薬による皮膚症状の多くはアレルギー性の機序だけではなく用量依存性の中毒反応として生じる.したがって,安易に有害と判断し中止をするだけではなく,対症的に皮膚症状を抑制しながら薬剤投与を安全に続けられるようサポートしていくことも必要である.
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