Japanese
English
症例報告
ボルテゾミブによる汎発性帯状疱疹の1例
A case of generalized herpes zoster due to bortezomib
西坂 尚大
1
,
米田 明弘
2
,
井山 諭
3
,
山下 利春
4
Takahiro NISHIZAKA
1
,
Akihiro YONETA
2
,
Satoshi IYAMA
3
,
Toshiharu YAMASHITA
4
1手稲渓仁会病院皮膚科
2桑園オリーブ皮膚科クリニック
3札幌医科大学医学部腫瘍・血液内科学講座
4札幌医科大学医学部皮膚科学講座
1Division of Dermatology, Teine-keijikai Hospital, Sapporo, Japan
2Soen Olive Dermatology Clinic, Sapporo, Japan
3Department of Medical Oncology and Hematology, Sapporo Medical University School of Medicine, Sapporo, Japan
4Department of Dermatology, Sapporo Medical University School of Medicine, Sapporo, Japan
キーワード:
汎発性帯状疱疹
,
ボルテゾミブ
,
多発性骨髄腫
,
細胞性免疫
Keyword:
汎発性帯状疱疹
,
ボルテゾミブ
,
多発性骨髄腫
,
細胞性免疫
pp.773-776
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204551
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要約 59歳,男性.多発性骨髄腫治療のためボルテゾミブを投与された後,体幹に紅色丘疹型薬疹を発症した.ジフルプレドナート軟膏を外用し,速やかに皮疹は消失した.その後,右胸部に集簇する紅暈を伴う水疱と全身に播種性に散在する同様の小水疱が出現した.皮疹と経過より汎発性帯状疱疹と診断した.採血上,VZV-IgMは著変はなかったが,VZV-IgGは4.6から35.2と増加した.皮膚生検病理組織像の結果もVZV感染に矛盾しない所見が得られた.バラシクロビル内服を開始し,速やかに水疱は痂皮化した.ボルテゾミブも多発性骨髄腫も細胞性免疫能を低下させる.それらを念頭に置いて皮疹を観察することによって自験例のように少数の水疱からでも汎発性帯状疱疹と診断することができる.ボルテゾミブと多発性骨髄腫の疾患の性質を理解することは,その治療経過中に細胞性免疫能低下によって引き起こされる合併症を早期かつ的確に診断する上で重要であると考える.
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