Japanese
English
症例報告
多発性骨髄腫に伴うクリオグロブリン血症に対して血漿交換とボルテゾミブが有効であった1例
A case of multiple myeloma-related cryoglobulinemia successfully treated with plasma pheresis and bortezomib
佐々木 洋香
1
,
伊賀 那津子
1
,
遠藤 雄一郎
1
,
藤澤 章弘
1
,
宮地 良樹
1
,
椛島 健治
1
Hiroka SASAKI
1
,
Natsuko IGA
1
,
Yuichiro ENDO
1
,
Akihiro FUJISAWA
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
,
Kenji KABASHIMA
1
1京都大学医学部大学院医学研究科皮膚科
1Department of Dermatology, Graduate School of Medicine, Kyoto University, Kyoto, Japan
キーワード:
多発性骨髄腫
,
クリオグロブリン血症
,
血漿交換
,
ボルテゾミブ
Keyword:
多発性骨髄腫
,
クリオグロブリン血症
,
血漿交換
,
ボルテゾミブ
pp.497-502
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204811
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 70歳,男性.2005年より,冬になると四肢に紫斑が出現した.血清免疫電気泳動でIgGκ型M蛋白が検出されたが,骨髄像では形質細胞の増加や異型性はなく,IgG κ型良性M蛋白血症とした.また,クリオグロブリン定性が陽性であり,Ⅰ型クリオグロブリン血症と診断した.保温とプレドニゾロン(PSL)内服で症状が改善したため,以降はPSL 5〜10mg/日の内服で外来通院で経過観察していた.2014年9月に四肢の紫斑と潰瘍が突然出現し,PSLを増量しても不応性のため当科入院となった.入院時検査所見では肝腎機能障害を認め,また骨髄穿刺にて多発性骨髄腫との診断に至った.PSL増量したが改善なく,メチルプレドニゾロンでステロイドハーフパルス施行の後,3回の血漿交換で皮疹と肝腎機能は改善し全身状態は安定した.多発性骨髄腫はPSLとボルテゾミブの加療が有効であり,以降,皮疹の再燃はなかった.基礎疾患を伴うクリオグロブリン血症では,対症療法に加えて基礎疾患の治療が必要不可欠である.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.