世界的な加齢に伴う腎臓病の推移

Worldwide trend in increasing elderly CKD patients

はじめに

　慢性腎臓病（chronic kidney disease：CKD）の重症度分類が2013年にKDIGOより発表されて以降，腎臓病への関心は飛躍的に増大している。ほかの診療科でもCKDの認知度が増し，国際的な介入研究（RCT）および大規模観察研究によるエビデンスも増加している。CKDに特異的な症状は少ないが，加齢とともに他臓器障害（脳卒中，心不全，肝不全など）の合併も増加する。循環器疾患，糖尿病，高血圧の治療薬の進歩・普及により，予後の決定要因としてCKDの病態・治療が注目されている。循環器領域では早くから，加齢とともに心血管障害による死亡率が高まり，透析患者ではさらに上昇することが注目されていた（図1）^1）。