特集 小児腎・泌尿器疾患update
4.AKI(急性腎障害)診療ガイドライン2016
亀井 宏一
1
1国立成育医療研究センター腎臓リウマチ膠原病科
キーワード:
急性腎障害(AKI)
,
KDIGO
,
バイオマーカー
,
体液過剰
,
重篤な障害
Keyword:
急性腎障害(AKI)
,
KDIGO
,
バイオマーカー
,
体液過剰
,
重篤な障害
pp.1399-1407
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000597
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小児の急性腎障害(acute kidney injury:AKI)の診断は,成人と同様国際的腎臓病ガイドライン機構(Kidney Disease Improving Global Outcomes:KDIGO)診断基準を用いる.その際基準となる血清クレアチニン値は年齢別基準値が参考になるが,生後3か月未満の基準値はない.早産児や低出生体重児はAKIのリスクが高く,またAKI合併児のほうが生命予後不良である.小児のAKIでは体液過剰の評価がとくに大切で,%FO(fluid overload)が20%以上だと生命予後が不良である.腎補助療法は体格に合わせたカテーテル,カラム,条件設定など,小児特有の治療方法が経験的に存在する.重篤な障害や生命予後不良が予想される児がAKIを合併した場合は,医療スタッフ内での十分な情報共有と検討の後,家族への十分な説明を行ってから,腎代替療法の開始や継続の適応を決定する必要がある.
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