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特集 腎臓とエイジング/アンチエイジング
総論
加齢に伴って生じる腎臓の解剖学的変化
Anatomical change in kidney aging
高上 紀之
1
,
山口 裕
2
KOUNOUE Noriyuki
1
,
YAMAGUCHI Yutaka
2
1東邦大学医学部腎臓学講座
2山口病理組織研究所
キーワード:
加齢性変化
,
動脈硬化
,
腎病理
Keyword:
加齢性変化
,
動脈硬化
,
腎病理
pp.745-750
発行日 2025年6月25日
Published Date 2025/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001915
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はじめに
現在,日本における慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の患者数は1,480万人と推定されており,慢性維持透析患者は約34万人である1)。日本での高齢者におけるCKDの有病率を推定した研究では,65歳以上の高齢者では25.3%,75歳以上の高齢者では34.2%がCKDとされる2)。また,透析患者の導入年齢は年々高齢化しており,2023年に透析導入となった患者(36,115人)の平均年齢は71.59歳(男性70.93歳,女性73.12歳)であり,最も導入数の割合が多い年齢は男性では75~79歳,女性では80~84歳であった。導入の原疾患としては1位の糖尿病性腎症に続いて,2位は腎硬化症であり,近年増加の一途をたどっている。腎臓は加齢性変化を受ける臓器であり,年齢による腎臓の解剖学的変化は臨床的にも重要である。

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