Japanese
English
研究
維持血液透析患者におけるダプロデュスタットの長期投与による有効性,安全性の検討
Examination of the efficacy and safety of long-term administration of daprodustat in maintenance hemodialysis patients
森田 るりの
1
,
吉澤 拓
1
,
内藤 祐子
1
,
浅井 真理子
2
,
熊谷 純子
2
,
高橋 直子
2
MORITA Rurino
1
,
YOSHIZAWA Taku
1
,
NAITO Yuko
1
,
ASAI Mariko
2
,
KUMAGAI Junko
2
,
TAKAHASHI Naoko
2
1医療法人あかね会大町土谷クリニック薬剤部
2医療法人あかね会大町土谷クリニック内科
キーワード:
ダプロデュスタット
,
ダルベポエチン アルファ
,
腎性貧血
,
HIF-PH阻害薬
Keyword:
ダプロデュスタット
,
ダルベポエチン アルファ
,
腎性貧血
,
HIF-PH阻害薬
pp.525-533
発行日 2025年4月25日
Published Date 2025/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001848
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
腎性貧血は慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)における代表的な合併症の1つであり,「腎臓においてヘモグロビン(Hb)の低下に見合った十分量のエリスロポチン(EPO)が産生されないことによって引き起こされる貧血であり,貧血の主因がCKD以外に認められないものをいう」と定義されている1)。腎性貧血の治療として,赤血球造血刺激因子製剤(erythropoiesis stimulating agent:ESA)によるEPOの外因的な補充や,経口または静脈注射による鉄の補充が主に行われている1)。しかしながら,ESAを高用量投与してもHb値が改善しない,すなわちESA低反応性を示す患者が存在し,その生命予後が不良であることが問題となっている1,2)。ESA低反応性貧血の要因として,鉄欠乏,慢性炎症,低栄養などがあると考えられている1,3)。そのうち,慢性炎症状態では,細胞内から血液中への鉄放出を抑制するヘプシジンの肝臓における産生が促進されるといわれている1,3)。ヘプシジンは細胞外へ鉄を汲み出すフェロポーチンの発現を抑制するため,細胞内に鉄が蓄積し造血に利用されなくなる,すなわち機能的鉄欠乏が生じるといわれている1,3)。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.