Japanese
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特集 腎不全合併症に関する最近の進歩
慢性腎不全 骨ミネラル代謝異常(CKD-MBD)
Chronic kidney disease-mineral and bone disorder
濱野 高行
1
HAMANO Takayuki
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科腎臓内科
キーワード:
カルシミメティクス
,
活性型ビタミンD
,
iPTH
,
血管石灰化
Keyword:
カルシミメティクス
,
活性型ビタミンD
,
iPTH
,
血管石灰化
pp.543-546
発行日 2024年5月25日
Published Date 2024/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001298
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Ⅰ 定義
慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の進行した状態(特に透析期)では,カルシウム(calcium:Ca),リン(phosphorus:P),副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone:PTH)などのミネラルに関する生化学的検査値の異常,骨代謝異常,さらには軟部組織の石灰化(特に血管石灰化)が併存することが多く,これらが緊密に連関することが明らかになってきた。そこで,これらの3要素からなるシンドロームについて,2006年に新たな疾患概念がKidney Disease:Improving Global Outcomes(KDIGO)により提唱され,慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常(chronic kidney disease-mineral and bone disorder:CKD-MBD)と呼ばれるようになった1)。腎性骨症が病理所見に基づくCKDに伴う骨病変のみの概念であるのに対し,CKD-MBDは全身疾患であるという点に大きな違いがある。
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