特集 CKD患者を診たら―最近のCKD診療の知見とその活かし方
CKD患者のマネジメント
CKDに伴う骨・ミネラル代謝異常(CKD-MBD)の治療
濱野 高行
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科腎臓内科学
キーワード:
血管石灰化
,
FGF23
,
二次性副甲状腺機能亢進症
,
酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRACP-5b)
Keyword:
血管石灰化
,
FGF23
,
二次性副甲状腺機能亢進症
,
酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRACP-5b)
pp.1015-1019
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_1015
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Summary
▪CKDに伴う骨・ミネラル代謝異常(CKD-MBD)は検査値異常,骨代謝異常,軟部組織の石灰化からなる全身の疾患概念である.そのアウトカムは骨折,心血管イベント,死亡である.
▪保存期の病態において,リン(P)のpositive balanceがFGF23を上昇させ,このことでビタミンDの活性化が阻害され二次性副甲状腺機能亢進症が起こる.腎不全末期までPは上昇しない.正P血症ではP吸着薬を処方してはいけない.
▪透析,保存期でまず重要視されるのはまずはPの管理であり,その後にカルシウム(Ca),副甲状腺ホルモン(PTH)を管理することが重要であるが,透析患者の二次性副甲状腺機能亢進症ではCa受容体作動薬による治療でPTHを管理することで,PとCaの管理ができる.
▪各種ガイドラインにおいて透析期,保存期に応じたP,Ca,PTHそれぞれの管理目標値が設定されている.
© Nankodo Co., Ltd., 2021