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特集 腎不全合併症に関する最近の進歩
慢性腎不全 血圧調節異常
Changes in blood pressure regulation
平和 伸仁
1
HIRAWA Nobuhito
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター腎臓・高血圧内科
キーワード:
高血圧
,
心拍出量
,
体液量
,
貧血
Keyword:
高血圧
,
心拍出量
,
体液量
,
貧血
pp.547-552
発行日 2024年5月25日
Published Date 2024/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001299
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はじめに
腎機能が低下すると,ナトリウム(Na)を適切に排泄することが難しくなるため体液量過剰となり,その結果として,心拍出量の増大から血圧値が上昇することは想像にかたくない。末期腎不全では,しばしば浮腫,肺水腫などが前面に出てくることにより,腎代替療法導入の契機となるが,その際に著明な高血圧を呈することがある。一方,長い高血圧状態,あるいは急激な高血圧が腎機能を悪化させて,末期腎不全に至る場合もあり,腎機能障害と血圧は密接にかかわり合っている。さらに,透析が必要な末期腎不全(endstage kidney disease:ESKD)患者では,残存腎機能によって体液量や血圧の変動性が異なるとともに,腎代替療法や同時に行われる体液量の調節によって血圧が大きく影響を受ける。本稿では,維持透析が必要な末期腎不全における血圧調節異常を中心に概説する。
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