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特集 病因・病態生理から読み解く腎・泌尿器疾患のすべて
Ⅳ.全身性疾患に伴う腎障害
29.多発性骨髄腫
Multiple myeloma
水野 真一
1
Mizuno Shinichi
1
1JCHO仙台病院腎疾患臨床研究センター
キーワード:
多発性骨髄腫
,
骨髄腫腎
,
円柱腎症
,
遊離軽鎖(FLC)
Keyword:
多発性骨髄腫
,
骨髄腫腎
,
円柱腎症
,
遊離軽鎖(FLC)
pp.326-330
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001050
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1 病因・病態
多発性骨髄腫(multiple myeloma:MM)は,B細胞から分化した形質細胞の悪性腫瘍である。正常では骨髄中の形質細胞は1%前後であるが,MMでは10%以上に増殖する。この骨髄腫細胞から産生される単クローン性の免疫グロブリンはM蛋白とよばれ,血清や尿中で検出され,正常な免疫機能を有さず,重鎖のみや遊離した軽鎖(free light chain:FLC)のみといった場合もあり,軽鎖のみの場合はBence Jones protein(BJP)型ともよばれる。MMで発症する典型的な腎障害は骨髄腫腎とよばれる円柱腎症(light chain cast nephropathy:LCCN)である。
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