ケース・スタディ
初診時に末期腎不全を呈し,8 カ月後に血液透析を離脱できた中年女性例
山田 亜純
1
,
中屋 来哉
1
,
村井 一範
2
,
相馬 淳
1
1岩手県立中央病院腎臓リウマチ科
2同 血液内科
キーワード:
多発性骨髄腫
,
円柱腎症
,
軽鎖沈着症
,
血液透析
,
急性腎障害
Keyword:
多発性骨髄腫
,
円柱腎症
,
軽鎖沈着症
,
血液透析
,
急性腎障害
pp.1283-1290
発行日 2017年8月10日
Published Date 2017/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000174
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症例提示症例:53 歳,女性主訴:嘔気,全身倦怠感既往歴:40 歳;結節性甲状腺腫内服:レボチロキシンナトリウム50 μg/day家族歴:母;高血圧症,妹;2 型糖尿病アレルギー歴:なし喫煙歴:20 歳から10 本/day,飲酒歴:なし現病歴:40 歳時に結節性甲状腺腫と診断され,以降近医へ定期通院し,検診は毎年受けていた.前年度の検診ではヘモグロビン(Hb)13.5 g/dL,尿蛋白陰性であったが,2カ月前の検診ではHb 9.1 g/dL,尿蛋白陽性を指摘された.2 カ月前,発熱のため前医を受診し,3 日間抗菌薬を内服した.すぐに解熱したが,貧血を指摘され,その後,食欲不振と2 カ月間で5 kg の体重減少がみられた.3 日前に前医でHb 6.8 g/dL とさらに貧血の進行が認められたため当院血液内科に紹介となったが,血清クレアチニン(Cr)12.06 mg/dL,尿素窒素(BUN)86.7 mg/dL と著明な腎機能障害が認められ,同日当科入院となった.
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