多発性骨髄腫診療の新時代を迎えて-診断と治療に吹き込む「新しい風」 多発性骨髄腫の合併症の管理
多発性骨髄腫における腎障害
高松 泰
1
1福岡大学病院 腫瘍・血液・感染症内科学
キーワード:
Dexamethasone
,
Fanconi症候群
,
Immunoglobulin Light Chains
,
Thalidomide
,
高カルシウム血症
,
骨髄腫-多発性
,
糸球体濾過率
,
輸液療法
,
アミロイドーシス
,
Bortezomib
,
Lenalidomide
,
軽鎖沈着症
,
骨髄腫腎
Keyword:
Bortezomib
,
Amyloidosis
,
Dexamethasone
,
Fanconi Syndrome
,
Hypercalcemia
,
Glomerular Filtration Rate
,
Immunoglobulin Light Chains
,
Multiple Myeloma
,
Thalidomide
,
Lenalidomide
pp.282-286
発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011312142
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
・クローン性軽鎖が円柱を形成してHenle係蹄の上行脚や遠位尿細管を閉塞するため、糸球体濾過量が減少し腎機能が低下する(myeloma kidney)。・高カルシウム血症、アミロイドーシス、脱水、薬剤(抗菌薬、非ステロイド性消炎鎮痛薬、造影剤など)も腎障害の原因となる。・腎不全を合併した患者は早期死亡する危険が高い。・腎障害のある多発性骨髄腫に対して高用量dexamethasone療法が有効である。・bortezomibおよびthalidomideは腎障害がある場合でも投与可能で、優れた抗骨髄腫効果が得られ、腎機能の回復も期待できる。・lenalidomideは腎機能に応じて投与量の調節が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2011