特集 進歩する貧血の治療法
多発性骨髄腫
角南 一貴
1
1独立行政法人国立病院機構岡山医療センター 血液内科 臨床研究部長
キーワード:
多発性骨髄腫
,
プロテアソーム阻害薬
,
免疫調節薬
,
抗体医薬
,
CAR-T細胞療法
Keyword:
多発性骨髄腫
,
プロテアソーム阻害薬
,
免疫調節薬
,
抗体医薬
,
CAR-T細胞療法
pp.37-43
発行日 2025年6月20日
Published Date 2025/6/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.42.02_0037-0043
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多発性骨髄腫(multiple myeloma:MM)はMタンパクを伴い、さまざまな合併症を引き起こす造血器腫瘍である。Mタンパクを有する疾患は形質細胞疾患(plasma cell disorder:PCD)と総称され、PCDにはMMを含むさまざまな疾患があり、診断においてはその鑑別が重要となる。MMの治療は、プロテアソーム阻害薬(proteasome inhibitors:PI)、免疫調節薬(immunomodulatory drug:IMiD)、抗CD38抗体(anti-CD38 antibody:CD38Ab)の開発により飛躍的に進歩し、骨病変や腎障害など合併症の管理の向上により、生活の質(quality of life:QOL)を維持しつつ長期生存が可能となった。しかし、MMはこれらの治療の進歩にもかかわらずいまだ治癒困難であり、PI、IMiDおよびCD38Abに再発/抵抗性を示す症例はかなり予後不良で、新規治療の開発が求められてきた。近年、二重特異性抗体やキメラ抗原受容体遺伝子改変T細胞療法が登場し、これらの症例に対して高い有効性が示されている。

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