Japanese
English
研究
血液透析患者の体内鉄量に及ぼすクエン酸第二鉄投与の影響
Effect of ferric citrate administration on total body iron levels in hemodialysis patients
加藤 徳介
1
,
三浦 真心
2
,
竹崎 俊晶
1
KATO Noriyuki
1
,
MIURA Makoto
2
,
TAKEZAKI Toshiaki
1
1埼友クリニック腎透析内科
2埼友クリニック臨床工学部
キーワード:
体内鉄
,
Hb鉄
,
貯蔵鉄
,
フェリチン
,
クエン酸第二鉄
Keyword:
体内鉄
,
Hb鉄
,
貯蔵鉄
,
フェリチン
,
クエン酸第二鉄
pp.633-637
発行日 2023年4月25日
Published Date 2023/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000699
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背景と目的
血液透析患者において高リン血症治療の目的でクエン酸第二鉄(FC)を投与する場合,重要な基本的注意として,貯蔵鉄を反映する血清フェリチン値などを定期的に測定し,鉄過剰に注意することが明記されている1)。一方,赤血球造血刺激因子製剤(ESA)投与量の変更でヘモグロビン(Hb)値が変動すると,それに伴って血清フェリチン値が鏡像的に変動することから,血清フェリチン値で鉄を評価する際には,Hb値の動きも考慮する必要がある。『輸血後鉄過剰症診療の参照ガイド 令和1年改訂版』2)によれば,鉄過剰症の定義として,通常体内に存在すべき鉄量である約3~5gを超えた鉄を蓄積している状態すべてを含む,と考えるのが妥当であるとされている。中倉らは,Cableらの推定式3)を用いて血液透析患者230例の体内鉄量(total body iron:TBI)は1,983.4±568.4mg(平均値±SD)であり,鉄過剰例はなく,むしろ鉄欠乏患者が多いことを報告した4)。
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