Japanese
English
研究
脂肪酸(123I-BMIPP)心筋シンチグラフィによる透析患者の予後推定と体液量の影響
Long term prognosis of maintenance hemodialysis patients by 123I-BMIPP cardiac scintigraphy and the effects of over hydration
猪岡 英二
1
,
千葉 ひろみ
1
,
栗田 宗幸
1
,
金野 孝彦
1
,
金沢 雅之
1
,
戸恒 和人
1
,
佐藤 寿伸
1
,
竹内 和久
2
,
関野 慎
1
INO-OKA Eiji
1
,
CHIBA Hiromi
1
,
KURITA Muneyuki
1
,
KONNO Takahiko
1
,
KANAZAWA Masayuki
1
,
TOTSUNE Kazuto
1
,
SATOU Tosinobu
1
,
TAKEUCHI Hisakazu
2
,
SEKINO Makoto
1
1宏人会中央クリニック
2宏人会木町病院
キーワード:
心筋脂肪酸シンチグラフィ
,
心筋虚血と心機能
,
維持透析
,
生命予後
,
過剰体液量
Keyword:
心筋脂肪酸シンチグラフィ
,
心筋虚血と心機能
,
維持透析
,
生命予後
,
過剰体液量
pp.623-632
発行日 2023年4月25日
Published Date 2023/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000698
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緒 言
心不全は,透析患者の約25%に合併し,その主因は虚血性心疾患であり,透析導入例の約50%ですでに冠狭窄があるとされる。日本透析医学会ガイドラインでは,その診断に無侵襲で行える心筋シンチグラフィ(シンチ)と心臓超音波(心エコー)の応用を推奨している1)。心筋シンチは,血流量の情報に加え,心機能も同時に示される有用性があり,筆者らも心筋シンチにより血流分布を定量的に測定できることを実証したが2),十分普及していない。その原因は,装置が高額なうえ,判定に専門的知識を要し,またその成果が心筋虚血の診断に限られてきたことから,冠CTなどに代わられたためであろう。筆者らは,ドライウエイト(DW)が体液量過剰状態でコントロールされた透析患者の予後は不良であること3),さらに血圧コントロールに際し体液量の適正化によってコントロールした場合と過剰なまま降圧薬投与によってコントロールした場合では,血圧を同一レベルに保っても後者では予後改善効果がみられないことから,体液量適正化の重要性を報告してきた4)が,その機序についてはいまだ不明である。
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