特集 “わかったつもり”で終わらせない血液凝固異常とDIC
Part 3 治療
(22) 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)診療ガイド2023,非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)診療ガイド2023—TMAの早期鑑別診断から治療へ:TTP・aHUSの早期治療戦略
矢田 憲孝
1
Noritaka YADA
1
1奈良県立医科大学 総合医療学講座
キーワード:
TTP
,
aHUS
,
TMA
,
補体
,
ADAMTS13
,
PLASMICスコア
Keyword:
TTP
,
aHUS
,
TMA
,
補体
,
ADAMTS13
,
PLASMICスコア
pp.113-120
発行日 2026年1月1日
Published Date 2026/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188348330180010113
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はじめに
血栓性微小血管症thrombotic microangiopathy(TMA)は,微小血管での血小板血栓形成により,血小板減少,臓器障害,溶血性貧血を呈する疾患群である1,2)。特に救急・集中治療領域では,TMAと敗血症などに伴う播種性血管内凝固disseminated intravascular coagulation(DIC)との鑑別がしばしば問題となる3)。しかし,両者は治療法が大きく異なるため,血小板減少・臓器障害を認めた際にはTMAを鑑別に挙げ,早期診断と迅速な治療を行うことが極めて重要である。TMAのなかで,特に血栓性血小板減少性紫斑病thrombotic thrombocytopenic purpura(TTP)と非典型溶血性尿毒症症候群atypical hemolytic uremic syndrome(aHUS)は重篤な疾患である一方,近年では効果的な治療法の進歩があり,早期治療が予後を決定づける。
本稿で取り上げる両診療ガイドに共通したメッセージとして,「TMAを疑った時点で,鑑別診断と並行して,遅れが許されない疾患であるTTP/aHUSを念頭において早期治療を開始する」ことが示されている。本稿では,両者の治療戦略を中心に,これらの疾患をいかに鑑別し,早期治療へつなげるかについて解説する。

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