膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の診療の現況
IPMNの外科治療
鈴木 裕
1
,
中里 徹矢
,
横山 政明
,
阿部 展次
,
森 俊幸
,
杉山 政則
1杏林大学 医学部外科
キーワード:
腫瘍侵入性
,
膵切除
,
腺癌
,
腹腔鏡法
,
診療ガイドライン
,
臓器温存療法
,
膵管内乳頭腫瘍
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Pancreatectomy
,
Laparoscopy
,
Neoplasm Invasiveness
,
Practice Guidelines as Topic
,
Organ Sparing Treatments
pp.1727-1731
発行日 2014年11月20日
Published Date 2014/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015121492
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膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm;IPMN)の外科治療について概説した.IPMNはslow growingな腫瘍であるため,腺癌は切除を要し,腺腫は経過観察が可能である.2012年に発行された新しいガイドラインでは,主膵管型と分枝膵管型が定義され,主膵管型は原則切除とし,分枝膵管型はアルゴリズムが示された.アルゴリズムでは手術を推奨する"high-risk stigmata"と,EUSによるさらなる精査が必要な"worrisome features"とが含まれ,嚢胞径は単独では手術決定因子にはなっていない.術式に関しては,膵頭十二指腸切除術や尾側膵切除術・脾合併切除術などの定型手術が第一選択となる.リンパ節転移はほとんどが浸潤癌で1群までであるため,浸潤癌は2群郭清,それ以外は1群郭清が妥当である.体尾部の非浸潤癌であれば腹腔鏡下手術も可能である.縮小手術に関しては再発の問題もあり,慎重に適応を判断すべきと思われる.術後は再発や異時多発,通常型膵癌の合併などを念頭において経過観察に当たるべきである.
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