膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の診療の現況
IPMN診療におけるERCPの有用性
原 太郎
1
,
池部 大
,
喜多 絵美里
,
辻本 彰子
,
中村 奈海
,
鈴木 拓人
,
須藤 研太郎
,
中村 和貴
,
山口 武人
1千葉県がんセンター 内視鏡科
キーワード:
細胞診
,
術前診断
,
膵液
,
内視鏡的逆行性胆道膵管造影
,
検査予測値
,
腫瘍悪性度
,
狭帯域光観察
,
膵管鏡法
,
膵管内乳頭腫瘍
,
電子内視鏡
Keyword:
Cholangiopancreatography, Endoscopic Retrograde
,
Cytodiagnosis
,
Pancreatic Juice
,
Predictive Value of Tests
,
Neoplasm Grading
,
Narrow Band Imaging
pp.1717-1725
発行日 2014年11月20日
Published Date 2014/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015121491
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膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)診断におけるERCP関連手技である膵液細胞診,経口膵管鏡(POPS)の有用性について解説した.膵液細胞診は従来からの異型度診断に加え,細胞診検体にMUC染色を用いた術前亜型診断が可能となり,悪性度予測として治療方針決定に有用である.一方,IPMN診断におけるPOPSの役割は良悪性の質的診断,術前の切除線の決定にある.POPSで観察される隆起形態は「顆粒状隆起」「イクラ状隆起」「絨毛状隆起」「結節状隆起」の4型に分類され,各隆起形態と悪性度との関連,また組織亜型との関連が解明されつつある.POPSは画質,観察範囲,生検能いずれも向上しており,形態観察のみならず直視下生検を応用した病理学的診断を加えることで精度の高い質的診断が可能である.
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