外科医必読 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)のすべて
分枝型IPMNの診療アルゴリズム
青木 豪
1
,
元井 冬彦
,
江川 新一
,
海野 倫明
1東北大学
キーワード:
術前診断
,
膵切除
,
アルゴリズム
,
診療ガイドライン
,
膵管内乳頭腫瘍
Keyword:
Algorithms
,
Pancreatectomy
,
Practice Guidelines as Topic
pp.161-166
発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013077687
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近年増加傾向にある膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は,緩徐な進展と予後良好な特徴をもつ疾患である.発生部位によって主膵管型,分枝型,混合型の三タイプに分けられる.2006年にはじめてIPMNの国際診療ガイドラインが示されたが,分枝型IPMNの手術適応において,拡張分枝径の取り扱いについて議論がなされてきた.2012年にIPMN/粘液嚢胞腫瘍(MCN)の国際診療ガイドラインが改訂された.分枝型IPMNは主膵管型と比して悪性率は低く,経過観察が可能な症例が多く存在する.壁在結節の存在や膵液細胞診陽性例は手術適応となるが,これらを認めない場合,拡張分枝径のみで早急な手術療法は必要なく,経過観察可能となった.今後この新たな国際診療ガイドラインで臨床に携わることになるが,経過観察中の悪性所見の出現など,消化器内科医と連携をとり,注意深い検査が必須である.
©Nankodo Co., Ltd., 2013