特集 FIT 陰性癌の特徴
Ⅱ.FIT を用いた大腸がん検診の有効性と注意点
関口 正宇
1,2,3
,
斎藤 豊
2
,
松田 尚久
1,2,3
1国立がん研究センター中央病院検診センター
2国立がん研究センター中央病院内視鏡科
3国立がん研究センター社会と健康研究センター検診開発研究部
キーワード:
大腸がん検診
,
大腸内視鏡検査
,
費用対効果
,
リスク層別
Keyword:
大腸がん検診
,
大腸内視鏡検査
,
費用対効果
,
リスク層別
pp.409-414
発行日 2019年9月20日
Published Date 2019/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000394
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FIT を用いた大腸がん検診は,日本を含めて広く世界的に実施されている.FIT は非侵襲的検査でありながら,大腸癌に対して比較的優れた診断精度を有するが,それでも一度のFIT 検査のみでは,大腸癌を見逃す可能性がある.しかし,これを理由にFIT 検診を否定することは不適切である.FIT 検診は,FIT 検査を繰り返し行い,見逃しリスクを減らすことで成り立つ検診プログラムであり,FIT 検診はプログラム全体としては非常に優れた検診法といえる.ただし,FIT検診による日本の対策型検診に,大腸内視鏡検査を現状よりも積極的に取り込むことについては検証の余地があり,最初から大腸内視鏡を行う内視鏡検診の導入を含めて,さらなる議論が望まれる.
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