特集 内視鏡検診の実態と今後の課題
10.新島STUDY に基づく大腸内視鏡検診の安全性・有効性評価
堀田 欣一
1
,
松田 尚久
2
,
角川 康夫
2
,
池松 弘朗
4
,
小林 望
5
,
斎藤 豊
3
1静岡県立静岡がんセンター内視鏡科
2国立がん研究センター中央病院検診センター、同 中央病院内視鏡科
3同 中央病院内視鏡科
4同 東病院消化管内視鏡科
5栃木県立がんセンター消化器内科
キーワード:
大腸がん検診
,
対策型検診
,
大腸内視鏡検査
Keyword:
大腸がん検診
,
対策型検診
,
大腸内視鏡検査
pp.1603-1608
発行日 2017年10月20日
Published Date 2017/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000149
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対策型検診としての大腸内視鏡検査の受診率と安全性,有効性を評価する目的で東京都新島村において前向き試験を実施した.40〜79 歳の住民1,671 名を対象に啓蒙啓発キャンペーンを行った後に,大腸内視鏡検診の受診勧奨を実施した.大腸内視鏡を第一選択の検査として推奨し,便潜血検査のみも選択可能とした.3 年間に789 名(47.2%)が検診を受診し,そのうち89%が大腸内視鏡を選択した.前処置,挿入,観察に伴う有害事象の発生はなかった.病変発見割合は全腫瘍性病変50.0%,advanced neoplasia11.8%,粘膜内癌2.4%,浸潤癌0.9%であった.全大腸内視鏡検査の対策型大腸がん検診への導入はさまざまな課題を有しているが,本研究をきっかけとして,導入の検討が本格的に加速することを期待する.
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