特集 FIT 陰性癌の特徴
Ⅲ.FIT 陰性者に対する内視鏡検診の必要性
小林 望
1
,
小西 潤
1
,
今野 真己
1
1栃木県立がんセンター消化器内科
キーワード:
大腸がん検診
,
便潜血検査
,
大腸内視鏡
,
APCS スコア
,
中間期癌
Keyword:
大腸がん検診
,
便潜血検査
,
大腸内視鏡
,
APCS スコア
,
中間期癌
pp.415-420
発行日 2019年9月20日
Published Date 2019/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000395
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免疫便潜血検査(FIT)による大腸がん検診は,大腸腫瘍の高リスク群を抽出し,そこに限られた医療資源である大腸内視鏡を効率的に分配する点で,優れた検診システムである.その一方で,検診対象者から発見される大腸癌の約2 割がFIT陰性であり,内視鏡検査の検診への導入によってこれらのFIT 陰性癌を拾い上げることが期待されているが,リスクの低い集団への内視鏡による介入は非効率的ともいえる.大腸腫瘍の発生リスクを推定するAPCS スコアを用いて対象集団のリスク層別化を図ることにより,FIT 陰性者の中でもリスクが高い集団を抽出することができれば,より選択的で効率的な内視鏡検診につながる可能性がある.
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