特集 FIT 陰性癌の特徴
Ⅴ.FIT 陽性癌 vs. FIT 陰性癌(3)内視鏡の立場から
松田 尚久
1,2,3
,
池松 弘朗
4
,
高丸 博之
2
,
大野 康寛
4
,
水口 康彦
2
,
関口 正宇
1,2,3
,
山田 真善
2
,
坂本 琢
2
,
斎藤 豊
2
1国立がん研究センター中央病院検診センター
2国立がん研究センター中央病院内視鏡科
3国立がん研究センター社会と健康研究センター検診開発研究部
4国立がん研究センター東病院消化管内視鏡科
キーワード:
大腸癌
,
疫便潜血検査
,
大腸がん検診
,
大腸内視鏡検査
,
スクリーニングプログラム感度
Keyword:
大腸癌
,
疫便潜血検査
,
大腸がん検診
,
大腸内視鏡検査
,
スクリーニングプログラム感度
pp.441-448
発行日 2019年9月20日
Published Date 2019/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000399
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近年,先進国を中心に免疫便潜血検査(FIT)を用いた大腸癌スクリーニングが普及しつつある.他方,近位結腸のAdvanced neoplasia(AN)に対するFIT陽性率(スクリーン感度)が遠位結腸のAN に比べ低いという報告が散見されるが,多数例での検討は少ない.今回,264 例の大腸AN 症例を対象とした前向き研究のデータから,FIT 陽性癌とFIT 陰性癌の特徴像を探ることを目的に検討を行った.FIT のスクリーン感度は,病変の進行度とともに上昇するものの,近位結腸に存在するAN のスクリーン感度は,遠位結腸病変に比し有意に低いことが確認された.今後,対策型検診におけるFIT と全大腸内視鏡検査の組み合わせについての議論が必要であると考えられた.
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