特集 胆膵の画像・内視鏡診断の進歩―早期診断と正確な診断のために
6.自己免疫性膵炎における内視鏡診断の位置づけ
内藤 格
1
,
中沢 貴宏
2
,
能登原 憲司
3
,
吉田 道弘
2
,
堀 寧
2
,
片岡 洋望
2
1名古屋市立大学医学部付属みどり市民病院消化器内科
2名古屋市立大学大学院医学研究科消化器・代謝内科学
3倉敷中央病院病理診断科
キーワード:
自己免疫性膵炎
,
内視鏡的逆行性胆管膵管造影
,
超音波内視鏡
,
超音波内視鏡下穿刺生検
Keyword:
自己免疫性膵炎
,
内視鏡的逆行性胆管膵管造影
,
超音波内視鏡
,
超音波内視鏡下穿刺生検
pp.1640-1646
発行日 2023年11月20日
Published Date 2023/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002868
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自己免疫性膵炎(AIP)は,IgG4関連疾患の膵病変である1型AIPと本邦ではまれな2型AIPに分けられる.びまん型AIPの診断は比較的容易であるが,限局型AIPは膵癌との鑑別診断が重要である.AIPの診断における内視鏡検査としては内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)や超音波内視鏡(EUS)が用いられる.ERCPはとくに限局型AIPの主膵管狭細像の評価に有用であるが,ERCP後膵炎などの偶発症の問題もあり,施行機会は限定されてきている.一方,EUS下穿刺吸引(EUS-FNA)による病理検査は膵癌との鑑別において有用であり,近年のEUS下穿刺生検(EUS-FNB)の普及によりAIPの生検診断も可能になりつつある.しかしながら,2型AIPに対するEUSによる生検診断は難しいとされる.
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